【事例集】花屋の資金繰り安定化
特大需要期用の特別管理で利益増大と資金繰り安定化を同時達成
この会社では、楽天でのネット通販・店舗小売り・スーパーへの卸という3業態で事業を行っていました。
そのため、基本的に全ての管理を部門別に行いました。
特に売上高に貢献していたのはネット通販であり、この部門の利益増大が会社全体の業績に与える影響が大きいため、管理を重点的に行いました。
この部門では、広告に関しては費用対効果をよく見極めないまま、楽天から受ける営業に従って出稿するケースが多かったのです。
これを改め、広告費+求める利益から逆算して必要売上高を算出しました。
売上高を確保するために、アレンジやブーケなど各商品の必要売上数量を算出し、広告を出しても必要売上高を確保できる見込みがないと判断した場合は出稿を取りやめました。
資金繰り面では、通常の日繰り表とは別に完全オリジナルの表を別途用意し、先々の予定を把握できるようにしました。
というのも、仕入に対する支払いが1週間以内と極端に短い一方で、楽天の売上に対しては回収が1ヶ月以上先であるため、所要運転資金が大きくなりやすく、絶えず資金残高を気にする必要があったのです。
そしてこの会社の財務状況では新たな借入は不可能であったため、リスケジュールにて財務支出を止め、部門ごとの入金日・支払日を細かく管理し、資金ショートを起こさないよう慎重に管理を進めました。
花屋にとって、母の日は1年で最も売上を伸ばせるタイミングにあたります。
売上高は通常月の2倍以上になるため利益は得やすいのですが、上記のような回収・支払サイトのため一歩間違えると資金ショートに陥るというリスクと隣り合わせになります。
ここで得られる利益を最大化しキャッシュの増加に繋げるため、この期間だけの特別管理表を別途用意して、キャンペーン期間中は毎日のデータ更新とそれを踏まえた打合せを継続しました。
こうした日々の努力に加えて、母の日などの特大需要期に確実に利益を獲得することで、資金繰りの安定化に成功しました。