コラム

資金繰り表にこだわる理由

私がまだ大学生だった頃、父が経営していた会社が倒産しました。

住んでいた家から夜逃げに近い形で狭い借家に引っ越しました。

引っ越す前の父は精神的にも少し荒んでいたのを覚えています。

そんな姿を間近で見て、会社の経営って大変だなと思ったのですが、そこから父は奮起したのです。

 

「中小零細企業の社長は、会計帳簿とは別に、自分で資金繰り表を付けている」と言い、
なけなしの金をはたいて、資金繰りを管理するソフトウェアを開発しました。

 

ソフトウェア開発が終わる頃に、私はバグ取りを手伝い、マニュアルは一人で全て作り上げました。

おかげでこのソフトウェアのことは完璧に理解できました。

 

そういった経験を踏まえて今の仕事をしていると、資金繰り表の重要さをつくづく思い知らされるのです。

 

 

中小零細企業というのは、根本的に持てる資源が少ないです。

世の中のちょっとした変化ですぐに淘汰されてしまいます。

倒産を避けるには資金ショートを避けなければなりませんが、その資金を十分に持っている会社はほとんどありません。

 

となってくると、資金繰り表を付けてしっかり管理していくことが会社を維持していくための第一歩となります。

 

その上で、資金繰り表には2つの効果があります。

 

 

資金繰り表を付けることで、
見通しが良くても悪くても、とりあえず見通しは分かる

 

一番の不安は、暗中模索の状態になることです。

状況が分からないから、この先いつ資金ショートするかも分からない。

だからよけいに不安になる。

資金繰り表を付けていれば、少なくともこの不安はなくせます。

 

 

資金繰り表を付けることで、
時間的な余裕を持って対策を考えることができる

 

資金繰り表で未来の予測を検討できます。

数ヶ月先の予測ができれば、前もって対策できます。

余裕があるのと無いのとでは、対策にも違いが出てきます。

もちろん、余裕を持って対策できる方が断然取り組みやすいです。

 

 

このような効果があるので、中小零細企業にとって資金繰り表は「必須」です。

 

あなたも、資金繰り表にはこだわってください。

 

− 大村剛史

 

 

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