月次決算について その2
投稿日:2016.10.17
月曜日になりました。
週末は六甲山へ行ってきました。天気も良くてすごく気持ちよかったです。
瀬戸内の田舎で育ったためか、私はのんびりしてるのが大好きです。
私はいろんな作業を効率化できないかと考えるのですが、その根本は「のんびり大好き」なところにあるのではないかと、、、最近思い始めました。
効率化すれば無駄な作業が減る。そうすれば楽ができる。時間ができてゆっくりできる。というわけです。
でも、考えていけばいくらでも効率化のネタは出てくるものなので、これまでに時間ができてゆっくりできる領域まで到達したことはありません(^_^;)
さて、そんなのんびり好きですが、前回に引き続いて真面目にいきます。
月次決算について、注意点です。
できる範囲での正確な月次決算を目指す
・発生主義に基づいた処理
・売上原価の算定(棚卸資産の調整)
・減価償却処理
まず、発生主義に基づいた処理について。
経理仕訳の原理原則は発生主義に基づいた処理を行うことになっています。しかし、実務上処理の煩雑さから現金主義で処理をしている会社も多いです。
例を挙げます。
今月、商品を100万円納品した。回収は2か月後。その商品を今月60万円で仕入れた。支払は来月。
発生主義では、
今月 売上高100万円、売上原価60万円、売上総利益40万円
現金主義では、
今月 売上高0円
来月 売上原価60万円、売上総利益-60万円
2か月後 売上高100万円、売上原価0円、売上総利益100万円
極端な例ですが、こういうことになります。
つまり、現金主義ではお金の動きを追っているだけなので、収益と費用の関係性が一切考慮されていません。これでは、業績の管理はできません。
売上を計上した月にその売上げに対応する原価を計上する。かかった費用は支払った月ではなく費用をかけた月に計上する。これが発生主義です。
そうなると、費用はかかったのにまだお金を払っていないので「未払金」処理が必要になります。支払ったタイミングで未払金を消す処理が必要です。要は2度手間になるという理由で現金主義を採用している会社を見かけますが、「数字を活用して業績を伸ばしていく」ためにも早急に改めるべきです。
次に、売上原価の算定について。
会計上の売上総利益の算出方法はいくつかありますが、
多くの会社では、売上高-(期首棚卸高+仕入高-期末棚卸高)で算出していると思います。
このやり方で売上総利益を算出している場合、期末棚卸高(月次決算では月末棚卸高)が重要な役割を果たしています。
例を挙げます。
月末棚卸高を考慮しない場合
売上高100万円、月初棚卸高70万円、仕入高60万円、月末棚卸高○万円
売上総利益=100万円-(70万円+60万円-70万円)=40万円(粗利率40%)
※月末棚卸高が分からないので月初棚卸高と同額にする=在庫増減なし
月末棚卸高を確認して処理した場合
売上高100万円、月初棚卸高70万円、仕入高60万円、月末棚卸高50万円
売上総利益=100万円-(70万円+60万円-50万円)=20万円(粗利率20%)
このように、売上総利益は全く違った金額になります。
棚卸増減を考慮せずに出来上がった試算表では信憑性の低い資料となるため、これを基に取組を検討した場合、全く見当違いなことになってしまう可能性が非常に高いです。
なにしろ、粗利率に直結する部分ですから。
粗利率が低下した、上昇した、という動きに対してはその要因を探ります。
売れている商品の構成が変わってきているのではないか?
セールの時に目玉商品ばかり売れて、重点商品が売れていないのでは?
主要商品の仕入単価が値上げされた影響か?
等々、要因を調べて、対策を打つ必要があります。
その調査をする大前提が狂っていたらどうですか?
やってられないですよね。
長くなってしまったので、あともう一回続きます。
月次決算のことならアセントリード株式会社へご相談ください。
― 大村剛史