資金繰り表はなぜ重要なのか
投稿日:2017.04.12
あなたの会社では資金繰り表は付けていますか?
面倒くさいから付けていない
という方、その気持ちも分からなくはありません。
決算書は決算から2か月以内に提出しなければならないのですべての会社が作成しています。
試算表も、通常であれば作成しています。
自社内でできなくても税理士事務所や記帳代行会社へ依頼して作成することも可能です。
では、資金繰り表はどうでしょうか?
まず、決算書のように作成の義務はありません。
そして、資金繰り表は未来の予測にこそ意味があるので、外部に作成を依頼することは困難です。
ということで、資金繰り表を付けるのは経理担当か社長の役目になってしまうのです。
資金繰り表からはいろんな気づきを得られる
ここで、面倒くさいからと言ってほったらかしにしているのはもったいないです。
というのも、資金繰り表を付けていると、いろんなことに気付くことができるからです。
・毎月、何日に最も多くの入金があり、何日に最も多くの支払いがあるのか
・何日時点でいくら以上の資金がないと支払いができなくなる
・何月頃に資金が最も少なくなりそうか
・毎月固定費としていくら程度の支払いをしているのか
・現在の稼ぐ力と比較して銀行返済額は多すぎるのか適正なのか
・このままだと何月頃に資金が底をつきそう
等々。。。
資金繰りは早めの対策を打つことで手段の幅が広がる
こういうことが分かってくると、早め早めの対策を打つことができるので、打ち手も様々です。
資金繰り表を付けていない場合、こうしたことが分からないので、資金ショートを起こしそうだということが直前になって判明します。
その時には銀行から資金を調達する、当面の経費を抑える、頑張って少しでも売上を上げる、
ということをするだけの時間的余裕がありません。
結局、社長が自分のお金を会社に入れるか、取引先への支払いを遅らせるか、
といった程度の手段しか取れなくなってしまうのです。
別のパターンとしては、どの程度の資金余裕があるかが分からないので、必要以上に銀行から借入をしているということがあり得ます。
ということは必要以上に利息を支払っている。
ということは無駄に利益を圧迫しているということです。
特に業績が安定しない会社や、資金にそれほど余裕がない会社は、資金繰り表を付けるべきです。
それも日次単位で付けることをお勧めします。
一旦資金繰り表で管理を始めると、上記のようなことに気付くのです。
そして、勘に頼っていたかつての状況を振り返ってゾッとするのです。
事実、私の関与しているクライアント企業でも、まず初めに資金繰り表を付けることから始めることが多いのですが、
資金繰りが好転してからも、「これだけは続けます」とおっしゃるケースが、、、
ほぼ100%です。
銀行はあなたの会社の資金繰りを知りたくて仕方がない
そして、資金繰りをつけるべきもう一つの理由。
それは、銀行と取引をするのであれば資金繰り表は必須の資料だということです。
銀行は、会社にお金を貸すのが仕事ですが、それが返ってきて初めて利息分が利益になります。
貸したお金が本当に返ってくるかということを注意深く見ているのです。
その時に重要な資料になるのが資金繰り表です。
この表で過去の資金の動きと今後の予測をチェックしているのです。
どうせ提出を求められるのであれば、言われる前に自発的に管理しておいたほうがいいことは言うまでもないですよね。
弊社のホームページで資金繰り表を無料ダウンロードできます。
このキャンペーンは間もなく終了しますので、興味ある方は使ってみてください。
https://www.ascentlead.co.jp/request/
資金繰りを回すということは、あくまでも手段です。
業績が悪くて赤字続きであっても、いろんな手段を使うことで倒産を回避していくことはある程度可能です。
ただ、手段だからといって軽く見ていると大変なことになります。
会社が倒産するかどうかを決定するのは「利益(損失)」ではなく「資金」だからです。
資金が底を尽きると(そして取引先から見放されると)そこで終わりです。
根本的な改善策は確実に利益を出していくことですが、まずは手段としてでも構わないので資金繰りを回していくことです。
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- 大村剛史