コラム

顧客対応が勝負の分かれ目

自社の商品は競争力がある。

価格も購買の障害になるほどではない。

それなのに売上が伸びない。

こういう時は、顧客対応に問題がある可能性を検討してみてもいいかもしれません。

今の時代は、モノがあふれかえっていて欲しいものは大抵既に持っています。

また、同じようなモノやサービスを扱っている会社やお店はいくらでもあります。

ちょっとした対応のまずさが消費者の心理に影響を与え、よそへ移っていく理由になっているのです。

 

顧客対応でロイヤリティは天と地ほどの開きになる

 

例えば、取引先と打ち合わせをした後。

「この資料をお送りしておきますね」と言っていたにもかかわらず、何日経っても送られてこない。

こちらから催促の連絡を入れると

「今からすぐ送ります」

10分後にメールで届いたとしても、「なんだかなぁ・・・」という気持ちしか残りません。

 

例えば、こちらから電話をしてもつながらなかった場合。

翌日に相手から電話がかかってきて

「すいません、確か昨日電話をいただいていましたよね。うっかりしていました。」

一回だけであれば、人間だから誰でもそんなことはあるよね、で済みます。

しかし同じことが何度もあると、自分のことを大事にされていないと感じるものです。

 

それに対して、適確な対応を超スピーディーに行うと、これ以上ないほどの効果があります。

 

これは実際にあった話ですが、

自動車の任意保険の更新時期が近付いてきた時のこと。

最近はインターネットで申し込みができて、しかも値段が安いということもあって、私はネットで色々と調べていたのです。

そこへ、ディーラーの担当者から電話が入ります。

「そろそろ自動車保険の更新時期が近付いてきたのでご連絡差し上げました。」

いくらかやり取りをした後に、

「では資料と、更新用の書類をお送りしますので、問題なければ書類を送り返してください」

ということになりました。

次の日仕事から帰ってみると、郵便受けに入っていたんです。

思わず「えっ!」と声を上げて二度見してしまいました。

2~3日後に届いたとしても何の問題もない書類。

話をしたのは夕方頃でしたので、電話を切った後すぐに対応してくれたのは明らかです。

この対応の速さに驚くと同時に、自分のことを大事にしてくれているという気持ちが湧き起こります。

封筒を開けると、手書きの文章と昨日の話に沿った資料が入っており、書類には記入事項が分かるように付箋が貼ってあります。

わずかな時間でここまできっちりしてくれていることに再度驚きました。

これで勝負ありです。

ネット保険の検討はそこまででストップ、完璧な対応をしてくれた担当者宛てに書類を送り返したのです。

 

このように、顧客対応のスピードと質を高めることで、それ自体が競合に対して絶大な優位性を持つことができます。

少々の価格差など余裕で跳ね返します。

 

顧客の期待値を少しでも上回ると満足度が急上昇

 

コツは、相手が思っている期待値を「少し」上回ることです。

「大幅に」上回ると、それに伴うコストがかかりすぎます。

逆に言えば、コストがかからないのであれば「大幅に」上回っても問題ないといえます。

先ほどの、翌日に配達されてきた件についても、実際には10分もあれば送付の準備は完了するでしょう。たいしたコストはかかっていないはずです。

それでも、その日の晩に処理をするのではなく、その場ですぐ用意をしてくれたことに感銘を受けるのです。

 

このような対応のスピードと質の向上は、どんな会社でもやろうと思えばできるはずです。

そして、顧客をつなぎとめる最大の武器になる可能性を秘めています。

 

というわけですので、私も普段から意識したいと思います!

 

- 大村剛史

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