コラム

リスケジュールから数年経過後、返済額はどうする?

銀行借入の返済条件変更(リスケジュール)をすると、

そこから先は銀行にとって「次の条件見直しでは返済額はいくらにするか」

ということしか興味がありません。

 

いくら立派な経営改善計画を用意して丁寧に説明していても、「返済額は〇〇円」という答えを聞きたくてうずうずしているのです。

基本的に新規融資は出せないので、頭の中は「回収回収回収回収・・・・」状態です。

「というわけですので、次回も元金返済額は0円でお願いします」とでも言えば、出てくるのはため息ばかりです。

 

それでもリスケジュールから2年程度はなんとか0円で引っ張ることはできます。

しかしそれ以降となると、いくらかずつでも返済していかないと、

「返済をストップしても経営状況は改善していないじゃないか」ということになり、それ以降の交渉は非常にやりづらくなります。

 

 

リスケから数年後、返済はどうする

 

では、どうすればよいでしょうか?

 

徐々に返済額を増やすというのが一般的です。

銀行としても、「利益が出るようになったのなら返済をしろ」というスタンスです。

確かに、言われて当然です。

でも100%それが正しくて、そうするべきなのか?

 

私は「返済額は極力抑えたままにする」べきだと思っています。

なぜなら、黒字転換したことよりも資金繰りの安定こそが重要だと思うからです。

 

 

資金繰りの安定のためのリスケジュール

 

過去数年にわたって赤字が続いたからこそリスケジュールという手段をとったのです。

多少黒字が出ただけで、資金繰りは安定するのでしょうか?

私の関与先では、リスケジュールに至るまでに社長個人が消費者金融からお金を借りたり、税金や社会保険料を滞納したり、

場合によっては買掛先への支払いを遅らせたり、という会社が多いです。

それらの「負の遺産」を解消してからでないと本当の意味での「資金繰り安定化」はあり得ません。

 

そのような不安定な状態のままで返済額を適当に増やしていって、

黒字になっているのに資金残高が増えないという状況は非常に危険です。

返済額を増やしていても、リスケジュールを解除しない限りは新たな融資はほぼ不可能なのです。

 

ですので、返済額は極力抑えたままにする。

 

その代わり、十分な利益が出るようになって資金繰りも相当回復してきたら、銀行とは別の交渉をしましょう。

増額ではなく、すべての借入を10年などの長期で借りなおし、一気に正常借入先へと格上げしてもらうのです。

 

これができれば、企業側としては再び融資を受けることもできるようになります。

銀行側にとっては、要管理先以下から正常先へと格付けが上がるというメリットがあります。

 

先日もこのような話を銀行でしてきたのですが、途中から銀行員が一気に色めきだったのが手に取るように分かりました。

 

リスケジュール中に返済額を徐々に増やすよりは、

極力抑えたままにしておいて、タイミングを見て一気に正常先に返り咲く方が、

企業側・銀行側双方にとってメリットがあります。

ただし、この方式を進めるためには、血の滲むような努力を続けてひたすら利益を伸ばすことが前提です。

これができなければ元も子もありません。

 

結局、社長は逃げてはダメなんです。

覚悟を決めて頑張りましょう。

 

 

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- 大村剛史

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